前略、肉食お嬢様―ヒロインな俺はお嬢様のカノジョ―



作戦はこうだ。

デート最中に此方がこっそりと手ぐすねを引いておく。


そして頃合を見計らって、タイミング良くトラップ発動!


豊福空の究極にかっこ悪い姿を見せてやり、我がアイドルを失望と落胆に落とす。

アイドルは空を見切ってフる。

空は絶望。

お互いに険悪ムードで関係終了。


ピリオドが打たれる。

此方は万々歳。


嗚呼、なんて完璧(パーフェクト)な作戦だ。


一件以来、自分達親衛隊は『鈴理さまお守り隊』から『鈴理さま見守り隊』に改名させられ、二人の関係に口出しはしないと約束させられた。


そう、だから口出しはしないつもりである。


だがしかし、手出しするなとは約束させられていないが故、親衛隊は二人の仲をこっそり引き裂こうと策に出ている。


簡単に言えば、往生際の悪い親衛隊である。


「隊長、なじられたいですね。鈴理さまに」

「ああ、本当にな。見下されたい。想像するだけで動悸がおかしくなる」

「そうですね、鼓動がバックンバックンします」


「踏まれたいな、高間」

「はい、踏まれたいです。隊長」


M発言をしつつ、二人は珈琲を啜りながら双眼鏡でデガバメ。


どうやら向こうカップルは移動するらしい。


こうしていられない、こちらも尾行を開始しなければ!


二人は双眼鏡を鞄に仕舞い、仲間にLINEで連絡を取りながら腰を上げて移動を始めたのだった。