彼女の格好は超ボーイッシュでカジュアル系……超オトナのお姉さんという感じがした。
つまりはカッコイイわけなんですよ。すっげぇカッケー。
なんか男の俺が言うのもなんだけどカッケー。
見惚れちまう。ハンチング帽がまたまた決まっている。
何より、その短パンから見えるすらっとした脚と、真っ白なブラウスが強調する胸が男心をげっふん!
あっれー、制服姿の俺って超ダサくねぇ?
「カッコイイっすね。先輩ってそういう格好が好きなんですか?」
「ああ、大抵こんな感じだ。ボーイッシュな格好が好きでな。空をいつでも食えるように、少しラフにしてきた」
親指を立ててくる鈴理先輩。
この発言が無かったら、花丸満点なカッコイイお姉さんなのになぁ。残念極まりない。
「空はブレザーを脱いでいるみたいだが制服なのか? なんだ、制服で来るならば言ってくれたら良かったのに。そしたら、あたしも制服で合わせたのに」
先輩は俺の服装を見て、そのセンスじゃなく、服自体について脹れる。
服の中で制服が一番マシなのだろうと察しての発言なのだろう。
「めんぼくないっす」
俺は素直に詫びて、これからどうしようかと先輩に尋ねた。
生まれて初めてのデートが始まると思うだけで緊張するな。
プライベートで先輩と遊ぶなんて初めてだしな。
ぜひぜひ楽しい思い出にしたい。
「今日は懐にも余裕あるっすから!」
ある程度の場所はどんと来いだと先輩に笑みを向ける。
よしよし、父さんの助言を聞き入れて今日は先輩に奢るぞ。
うん、少しは先輩にいいところを見せないとな!
嗚呼、前略、お金をくれた父さん、母さん。貴方達の息子は心を彼女にいいところを見せるため、男をみせるために、貴方達から貰った大事な五千円を使おうと思います。
勿体無いなんて思っていません。
息子の豊福空は彼女のために、立派な男を見せたいと思います!
「ならば空、お互いに行きたい場所を出してみようか。そうだな、あたしはデートのシメに」
「先輩、釘を刺しますがラブホはダメですよ」
笑顔で場所を口にする先輩に、俺は素早く待ったを掛けた。
片眉をつり上げる鈴理先輩、やっぱりそうきたかと引き攣り笑いを浮かべる俺。お互いに数秒沈黙が流れた。



