「だがしかし、今の世の中は男女平等社会。べつに女が男のポジションを取ったって良いではないか。

肉食系男子がいるなら肉食系女子だっている。俺様がいるなら、あたし様がいたっていいじゃないか。あたし様な女に振り回される男がいても良いと思うし、男の照れや困り、泣き顔に喜ぶ女がいても良いと思うし、好きな男を鳴かせたいとエロティカルなことを思う女がいても良いと思う」


良くないと、俺は思うんですけど全国の男性諸君、どう思います?


「あたし様、男前女、鬼畜女、上等だ。今の世の中は男女平等。
つまり何事においても平等というわけだ。男のポジションを女が取ってもいいじゃないか。女のポジションを男が取ってもいいじゃないか。何事も平・等・だ!

だからと言ってオカマ、オナベとは違う。オネェや男の娘も求めていない。あくまでポジションを取るだけの話。あたしも女を捨てる気は毛頭ない」


鈴理先輩は黒板にデカデカと赤チョークで『攻め女』『受け男』と文字を書いた。

バンッ! 黒板を叩いて握り拳を作り、鈴理先輩は俺に言い放つ。


「男のポジションをぶんどり、男を攻める女子をあたしは“攻め女”と称し、女のポジションをぶんどり、女に攻められる男子を“受け男”と称する。以上、講義を終了する。異論または質問はあるか」


拍手喝采。

女クラの教室に手を叩く音が満たされる。


「さすが鈴理さん」「説得力ある説明」「素敵ね」


のほほんと会話をしている女クラ一同に対し、俺は顔を引き攣らせていた。