田舎姫と都会王子

「そんなことありませんよ。」

「だって、要があんなに必死になったの久々に見たよ。」


「そうなんですか?」


私は、チラッと要の方を見ると顔を赤くしていた。


「お前、もう大丈夫じゃないか?もう遅いし、親が心配するだろ?送って行くから、帰れ。」

「逃げたな…」


徹がボソッと言うと、要は徹の頭を殴った。


「お前も帰れ。」


「ってぇ~。ハイハイ。すいませんでした~。またね小梅ちゃん!」


徹は、そう言って自分の頭を撫でながら部屋から出て行った。