田舎姫と都会王子

リビングに行くと父は椅子に座ってテレビを見ていた。


「お父さん?」


「おっ!来たか。ほらほら2人とも座って。」


いつにも増して笑顔な父を不信に思いつつ私達は父の向かいの椅子に座った。


「要君、さっきはすまなかったね。仲直りしよう。」

父はそう言って手を差し出した。


「いえ。」


要はそう言うと差し出してきた父の手を握った。


(大丈夫みたい…)


2人の様子を見てホッとしていたが、要の顔が険しくなっているのに気づいた。