「入学式お疲れ。今から1人ずつ自己紹介していってもらうから。」


拓にいは、教室に戻るとそう言った。


「小梅、自己紹介のとき言葉なまらないようにね…。」


「うっうん…」


他のクラスの子達が、次々と自己紹介をしていきドキドキしてる間に雪乃の番まで回ってきた。


「蓑島 雪乃です。お菓子作りとかが好きです。宜しくお願いします。」


雪乃は、そう言ってニコッと笑うと席に着いた。


「次、雪代。」


(どうしよ~!!)


一気に大勢の視線がこっちを向き私は黙ってしまった。


「小梅、頑張れ。」


雪乃に励まされ私は顔を上げた。