「ああ・・・。迷惑かけてすまなかった。あとでひかるの生活費は送るから。」



「千裕!その保護者づらがなぁーーー!・・・あっ・・・わかったよ。
あんたも休息が必要みたいだな。」



セルジュはひかるに千裕の様子を伝えると、ひかるは千裕の屋敷へもどると言い出しました。


「かまってもらえなくてもいいっていうんだな。」


「はい。」


「ひかるちゃん、占いの結果は遊びというわけじゃないよ。彼を好きでいるということは
苦労がいっぱいだってことなんだ。

会ったばかりの俺がいうのもなんだけどさ、セルについて行った方がきっと楽しく暮らせると思う。
社長夫人となったら、そりゃ、華やかに見えてつらいことは多いだろうからさ。」



「セルジュさん・・・ごめんなさい。
千裕様の様子をそのまま教えてくださってありがとうございます。
あなたの気持ちに甘えてばかりで・・・。
ほんとに感謝しています。」



「謝らないでくれって。
あのな、俺はひかるが好きだし、千裕も好きだ。
あ、変な意味にとるなよ。
おまえじゃないけど、ほっとけない。

俺にはわかるっていうか・・・ムースやケーキをいっしょに作ってると、千裕の繊細さ、真面目さ、天才で器用なはずなのに、中身が不器用でさ。
正直いって、俺、千裕といっしょに店をやりたいくらいだ。

だから、周りがチヤホヤする見た目だけのものじゃなくて、千裕に直接話をして、おまえに伝えた。」


「セル・・・そうか、おまえが好きだったのはひかるちゃんと見せかけて、社長の方だったんだな。
なんとなく、いかつい系のおまえに色気のある社長は魅力的だったのかぁ。」



「リュウ・・・刻んでやろうか。」


「きゃっ、こわ~い。

ひかるちゃん、俺たちは君の味方だからさ、ぶつかって嫌な思いしてどうしようもなくなったら、いつでも連絡してくるんだよ。」



「ありがとう。龍ちゃん。」


「修行は投げだすんじゃないぞ。
最後までやりとげろ。」


「はいっ!」