「ひかるを助けてくれてありがとう。君がいなかったら、これほどうまくはいかなかったよ。感謝する。」
「こっちは利き腕に名誉の負傷もしているんでね。
ひかるから唇で報酬をもらっておいた。
決して無理やりじゃないからな。それと、ひかるを危険な目にあわさないでほしい。」
「ああ。俺だって危険な目にあわせたくない。
君の言葉は宣戦布告だととっていいんだね。」
「ええ。俺はひかるを悲しませはしません。」
「なるほど。あくまでも真っ向勝負なんだね。
じゃ、俺も真剣に受けてたたないとね。
防衛してみせるよ。 ありがとう。」
無事に帰宅することができたというのに、ひかるはほとんど千裕と話をしませんでした。
セルジュからひかるが囚われていたときのショックがまだ残っていると知らされていたので、千裕は無理に事件についての話はせず、温かいココアとどら焼きをひかるのテーブルに置きました。
「千裕様、なんかミスマッチじゃないですか?
日本茶きれてましたっけ?」
「いいんだよ。ひかるの顔見てたら、ココアが飲みたくなったし、和菓子が食べたくなった。」
「へんなの。・・・!どうして私の顔見てたらココアとどら焼き!?
顔色悪いですかぁ?なんかどろどろした印象とか・・・?」
「知りたい?そこつっこんできいたことを後悔するなよ。」
「なんですか?つっこむところじゃないんですか?えっ・・・知りたいですっ。」
千裕はスッとひかるの顎をつかんでひかるの唇をペロっと舌で舐めました。
「こういうことができる・・・。うん、やっぱり甘い。」
「あ゛ーーーーーーーーー!!!悪趣味ですよ。」
ひかるはそう叫びながら、千裕の腕にしがみつきました。
「ごめんなさい、まだ離れないでください。」