「お店の管理は私がするのに・・・」
「ダメ!誰かが襲いにくるかもしれないし、2人の部屋を用意してくれた使用人のみんなに申し訳ないだろ。」
「それはそうだけど・・・。
でも、オーナーは千裕です、ママはひかるです。なんてお店の管理までしてくれるような人いるのかしら?」
「いるから明日来るんだよ。
ま、明日のお楽しみ・・・。」
「へぇ。なんだかワクワクしちゃうなぁ。
でも、めんどくさいことを結局、千裕様に押し付けちゃってるし。」
「店に率先して出なきゃいけない人は、そんなことは気にしない。
オープンしてからがいちばん大変だよ。ひかるは。
お客が来ないとせっかく開けた店を閉じなきゃならなくなるんだからな。」
「はい・・・がんばります。
あれ、千裕様は学校はどうするんですか?」
「もちろんやるよ。
担任もつなんていうのはできないけど、ビジネス半分の私学なんだから、生徒もお客のうちさ・・・。ははっ」
「そういうこと・・・ふ~ん。
いい宣伝部長ね。」
「なんか不服そうだね。」
「べつに。千裕先生目当ての女子高生にお店を荒らさせるかと思うと気が重いだけ。」
「あはは、気になるんだ。
大丈夫、俺は表には立たないから。
平日は学校あるし、店にかかわるのは帳簿だの食器だの裏方の仕事の手伝いだけ。
ひかるママが自己責任で経営するお店なんだからね。」
「うう・・・実際に自分が・・・って思うと恐くなっちゃった。
どうしよう。眠れない。」
「三崎ひかる!めんどくさい両親を説き伏せてここまでたどりついたんでしょ。
大丈夫、三崎の名前がくっついたからには必ず、やれるから。」
「は、はい。((そうだよね。私は三崎の家の人になったんだから。
現場に立つ前から負けていたら、ご兄弟、親戚に恥をかかせてしまう。
がんばらなきゃ。))