「俺は胡桃と『どれにする〜?』って選ぶつもりでいたからさ。これはお兄様にあげようぜ」



それから茜くんと外へ出ると

薄暗くなる空に無数の星が輝き出していた。




何の違和感もなく繋がれた手。





「あっ!そうだ。私も茜くんにプレゼントがあるんです」



繋がていない方の手で肩に掛けてるバッグを漁る。





「かなりの間に合わせになってしまったんですが…」


「花火?」




茜くんに渡したのは花火セット。




ごめんね。


私、バイトしてないからお金ないし2日で茜くんが喜んでくれそうなものを探せなかったんだよ〜。





「…ごめんなさい。そんな子供だましのようなもので」


「何が?すっげぇ嬉しいけど」


「本当ですか!?」


「胡桃が俺の為に選んでくれたんだ、嬉しくないワケがない」




どうして

こんなに優しいんだろう。





「…それに」


「はい?」


「こんな満天の星空の下、胡桃と手を繋いで歩く。超贅沢な誕生日じゃね?」




茜くんはニッと歯を出して、満面の笑みを浮かべた。





「…はいっ!」




幸せ過ぎると泣く私と

幸せだと言った表情で笑ってくれる茜くん。





ねぇ、茜くん?


私が茜くんを好きだと想う気持ちと同じくらい



私を好きでいてくれてますか?