ワンピースと靴に

あとはタオルと……




って、これじゃ何だかお泊りするみたい。




…お泊り?

えっ、お泊りっ!?





「胡桃、何で荷造りなんかしてるんだ?」


「お兄ちゃん」




1人で妄想して恥ずかしがっていたら、部屋の前にお兄ちゃんが立っていた。





「明日ね、学校帰りに茜くんと誕生日パーティーするから…私服を持って行こうと思って」


「…あの変態ストーカー男か」


「茜くんの悪口言わないで!!」




香織と、ってごまかせば良かったかな。



お兄ちゃんの事だから絶対『行くな』って怒られそう。





「…あんまり遅くなるなよ」




あれ?





「ダメって言わないの?」

「言っても聞かないだろう」




お兄ちゃんはそれだけ言うと、部屋から出て行った。




もしかしてお兄ちゃん

茜くんとの事、少しは認めてくれてるのかな。







「それより…お泊りって事になっちゃうのかな…」




次の日はちょうどお休みだし


私と茜くんって

一応、付き合ってるんだよね?





私の勘違いかな?


でも茜くん、私の彼氏は俺だって言ってくれたもんね。






「明日、楽しみだなぁ」