「――って!嘘つきやがったな、キモロン毛!!」


「さっきの電話の仕返しだ!!」



このキモロン毛め!


そのうぜぇ髪の毛全部引っこ抜いてやろうか!!




「おい」

「あ!?」

「お前が茜か?」

「お兄様っ!」



カウンターに来たのは、胡桃ちゃんのお兄様。




「お前、顔はまぁ…綺麗な面してるな。性格はどんな感じだ、大和」

「最悪だ」



ヤマト?

吉澤先輩の名前か?



って!

俺の性格のどこが最悪だ!!




「口わりぃし腹黒いし、クール装ってるけど全然冷静じゃねぇし」



おめぇーには言われたかねぇよ。



「そりゃ最悪だな」

「そんなワケないじゃないですか、お兄様。やだなぁ、吉澤先輩。反対の事言うなんて」



営業スマイルを浮かべると、お兄様にギロっと睨まれた。




「俺はな、胡桃につく悪い虫はみんな駆除するんだ」


「悪い虫の駆除ですか。僕もお手伝いします」


「じゃあまずはお前からだな」



へ?



「悪いが、俺はお前を認めねぇ」



お兄様はそれだけ言うと、胡桃ちゃんの元へ去って行った。