「あ…ありがとうございます。わざわざすみません」


「いえ。生徒手帳は無いと困るだろうから」


「…ワザと忘れたんです」



――…えっ?




「私っ…」




え?何?…何で!?


何でそんな真っ赤なの!?


てか何で俺、そんなキラキラした目で見つめられてんの?



ま…まままままっまさか!!


告白!?




「あなたの名前、聞いてなかったなって思って」




あー

そういうオチね。




でも名前知りたいだなんて

これって、脈ありじゃね?



「人がいる所では恥ずかしくて聞けなくて…」



かぁーっ!
可愛いな、ホント。




「アカネ。柏木 茜です」

「茜…。わぁぁぁ!可愛い素敵な名前ですね」



アナタの笑顔の方が素敵です。




「茜くんって呼んでいいですか?」


「はい」


「私、毎日のように『LOVE SICK Cafe』行くんです。だからこれから宜しくお願いしますね」


「こちらこそ。胡桃ちゃん」




そう名前を呼んだら


彼女は柔らかく微笑んだ。