――――…… 見合いの席の後、俺とと穂乃歌は2人で街へ出かけた。 涙を流す穂乃歌…。 その、“涙の理由”が俺にはとても残酷だった。 “支葵”と、その一言を言葉の中に入れた穂乃歌…。 穂乃歌は、自分が今言った言葉に驚いたように、口元に手をやった。 名前を口にしただけで、そんなに動揺するとは思わなかったよ…。 なかなか、心臓に悪いことをしてくれる。 俺を好きになる時間と勇気をください、ね… 大分かかりそうだ…。 そして穂乃歌は、涙を流した…。 愛しい男を想いながら。