目が覚めると、秋人がすぐ近くに居た。 右手が温かかったので、みると手を繋いだままだった。 ――トントントン 急にノックされたのでびっくりしたが、開いた先に居るのは美沙だった。 続いて配膳係のおばちゃんも入ってきたので、時計を見ると既に夕方だった。 どうりでカーテンの隙間から漏れる光が赤っぽいわけだ。 「さ、とりあえずご飯食べてからにしよう」 二人が出て行ったと同時に、秋人が言った。