「五十嵐さ~ん? 起きて~。体温測る時間だよ」 寝ぼけ眼で左を向くと、そこには美沙の姿があった。 「イトちゃん……もうそんな時間?」 「そうだよ~お昼寝のところ悪いんだけどね、決まりだもん」 彼女が見せてくれた腕時計の針は十一時五十分を指していた。 「今日は早いんだね」 「そうなの~。昼に会議があるらしいんだよね! だからごめんね」