あぁ、ヤバい。むちゃくちゃ恥ずかしい…!
今は灼熱の夏ではないというのに身体中が火照り熱くて、その上胸がドキドキと大きく高鳴って耳に響く。
道留君から離れればいいもののあまりの恥ずかしさに火照った身体はピシッと石みたいに固まって動いてはくれなくて。
顔を真っ赤に染めたまま道留君を見上げ、何も言葉を発しずただ道留君を瞳に映し出すだけのあたしを道留君は不思議に思ったのか。
少し呆れた表情に苦笑を浮かべていた端整な顔はどことなく心配そうな表情へと変わり、サラリ、口を塞いでいた手は離れ、その手はあたしの髪を柔らかく撫でた。
「ごめん。苦しかった?」
あたしの今の気持ちとは的外れなことを言ってくれる道留君は優しいとは思うけどちょっぴり天然だと思う。
苦しいだけならこんなに身体は熱を持ったりしないし、顔を真っ赤に染めたり胸をドキドキさせたりだってしない。
まず苦しかったら苦しいって言っている。
あたしはフルフルとかぶりを振り、『違うの…』カラカラに渇いた喉から絞り出した言葉を道留君に零した。


