メガネの裏はひとりじめⅠ




『んぅ!?』



頭上から呆れ混じりの聞き覚えがある低い声が降ってきたと同時に。



あたしの開きかけた口は後ろから前に回された大きな手によって塞がれてしまい、突然のことでビクンッと肩を上げるあたし。



だけどその聞き覚えある低い声が道留君のものだとすぐに気が付いたあたしは口を塞がれたまま顔を上へ向けて道留君を瞳に映したんだけど――…。



それはしない方が良かったと、道留君を見上げた瞬間に心からそう思った。



だ、だって…!



見上げる道留君の端整な顔はあたしと道留君の身長差が20センチぐらいあるからそこまで言うほど近くはないんだけど。



だけどそれでも自分の顔の真上に顔があるってことだけで羞恥が込み上げてきて。



柔らかくお腹に回された腕と、あたしの背中とくっ付く道留君の身体。



その今の体勢は端から見たら絶対にあたしが道留君に後ろから抱き締められているという体勢に見えているに違いない。



それを頭の中で想像しただけで自分でも分かるぐらい顔が羞恥で真っ赤に染まっていった。