こ、こんのぉ…。
何の悪びれも持たずにあっけらかんとそう言い放つ大和にフツフツと沸いてくる苛立ちにも似た感情。
キッ!と、中坊のくせして170を軽く越した高い身長のおかげで見上げなきゃいけない位置にある絵に書いたように綺麗な美顔をあたしは鋭く睨んでやる。
『あたしってば超モテんだからねっ!』
睨んで、モテず彼氏いない歴15年目にしてやっと彼氏が出来たおねーちゃん、だなんて思われるのなんかむちゃくちゃ悔しいから。
まんざら嘘でもないことを強気に言い放ち、ベェーッと舌を出して挑発してやれば、不愉快そうに眉をピクリと上げた大和から瞳を鏡に戻し、手に持っていた服はどうかと鏡の中の自分と見つめて再び服選びを開始するあたし。
「別、お前がモテるとか聞いてねぇし」
先ほどのあたしが地味にカチン、と癇に障ったのか。
離れた隣からイライラを含んだ口調でそう言い返してくるまだまだお子ちゃまな大和は少し黙ってていただきたい。
暫く「聞いてんのかブス」とか「シカトしてんじゃねぇよチビブス」とか、必ずセリフの語尾に"ブス"をくっ付けて。
もう最後の方はただの悪口にしかなってないセリフばかりを槍のようにグサグサと飛ばしてくる大和を無視し続けてきたけど。
いい加減我慢の限界とやらを越えたようで。
『ブスブスうるさいっ!何っ!?』
声を上げながら鏡から再度口の減らない大和へ瞳を向け返せば、大和は「それ」何の主語もないまま言って、あたしの今手に持っている服を指差した。


