そんな思いがけない胸キュンセリフにあたしの頬っぺたは熱を持ち赤く染まって。



『…はい』



おでこに乗った氷の袋をクシャリ、手でずらして赤く染まった顔を隠しながら小さくあたしは返事をした。



「つかさー。お願い叶えてあげるけど、んで壱翔なんか誘うの?いんねぇじゃん別に」



むしろ邪魔。



バッサリ、清々しいほどにさっきまで拗ねていた道留君は友達であろう巳陵壱翔のことを不服な表情してそう言い捨ててしまう。



だけど言いながらもちゃんと巳陵壱翔をデートに誘うお願いを叶えてくれるとこが優しい道留君らしくて。



あたしは笑みを零すと、『理由、あるんだよ?』髪を撫でる大きな手に心地好さを感じながら道留君に瞳を上げ言った。



「うん。なくて誘うんだったら俺、壱翔に下剤飲ませて腹壊してもらおーと思った」



ふわり、ふわり。



撫でられる優しい手の動きとは違って、そう言う道留君の表情はニッコリ、リュウちゃんみたいな恐怖のニッコリ笑顔。



ひぇ…!ミチるん怖い…!



恐怖のニッコリ笑顔に見下ろされ、あたしはその場しのぎにヒクヒクと引きつった作り笑いを浮かべると、道留君の本性は腹黒だ…!心の中にある"道留攻略ノート"1ページ目にそう刻み込んでおく。



「んで?そん理由は何?」