メガネの裏はひとりじめⅠ




――…と、道留君が話した"怒った理由"をまとめれば。



巳陵壱翔をデートに誘って欲しいと言ったあたしの願いが少し言葉足らずだったのか、あたしが巳陵壱翔とデートするから誘って欲しい。そう聞こえてしまったからだそうで。



でもそれは道留君の全くの勘違いだ。



本当はイブのために誘って欲しくて言ったのだから、それで怒って拗ねている横顔が何だか無性に可愛く見えて仕方がなくって、胸はキューンと高鳴って。



あたしの口許はゆるゆると緩み、笑みが零れる。



『道留君かわいー♪』

「っはぁ!?」



あ…。



心の中で思ったことを思わず口に出してしまい、それに反応しないはずがない道留君は高揚した声を上げながら逸らしていた顔をあたしへと向けて漆黒を落としてくる。



その浮かぶ表情はやっぱりムスーッとさっきよりも拗ねた膨れっ面で。



それさえも可愛く見えてしまうけど、だけど今度はちゃんと"可愛い…!"心の中で叫ぶあたし。



そうやって叫んだ瞬間。



道留君はまるであたしの心の中を読んだようにタイミング良く「もーお願いきいてやんねっ」そう言って落としてた漆黒を連れてプイッとそっぽを向き、完全にスネ夫モード。



あわわわ。お願いはそっぽ向かないで!