そう、思い付いたこととは何でもあたしのお願いをきいてくれると言ってくれた道留君の言葉で。
お言葉に甘え、一番の親友であるイブの恋を叶えるために巳陵壱翔をダブルデートになんとしてでも連れてきてもらうお願いをしなきゃいけないのだ。
危うく忘れるとこだったよ…。
あたしがそう声を張り上げれば一瞬、あたしと道留君の間にはシーンと沈黙が流れた。…が。
でも道留君がその沈黙を笑いを噛み殺しながらも口を開いてくれたおかげですぐに裂いてくれて。
「ん。いーよ。お願い叶えてあげる」
そう言いながらあたしの逸らしたままの真っ赤な顔を顎に手を掛けやんわり、自分と瞳がかち合うようにし、「んで?お願いは?」そう言葉を続けた。
『えっと、ね…?壱翔君をデートに誘って欲しいの』
控えめに――…だけど単刀直入で願いは何かと訊ねてきたそれに自分の願いを伝えるあたし。
そしたら伝えた直後。
道留君はどこをどう癇に障ったのかあたしの伝えた願いにグッと深く眉を寄せシワを作り、「…は?」その声はあたしに向けた中で一番低い音を奏でて。
その初めて向けられた声の低さにビクッと反射的に肩を上げ、道留君が怒る意味が全く掴めないからあまり回りがよくない頭の中をフル回転させてその意味を掴もうと考える。
…だけどいくら考えても道留君が怒るとこなんて見つからなくて、それは掴めなくって。
眉を寄せる道留君に少しばかり怖ささえも感じてしまい、あたしは『何で怒るの…?』涙でぼやけた瞳に映る道留君にそう震える声で投げ掛けた。


