メガネの裏はひとりじめⅠ




理解に苦しむことを道留君はやっぱり悪戯な口調で言ってのけ、あたしは膨れっ面から元の顔へと戻して頭の上にたくさんのハテナマークを浮かべ考えた。



真っ赤になってる時かな?いやいや、膨れっ面の時だったり?



そうやって道留君の言葉の意味を真剣に考え出したあたしの耳には「ぷふっ」小さく零された笑いが届き、考えるのを止めそれに意識を持っていったなら。



「やっぱ俺、ちょー誘われてる」



と、道留君は引き続きいつ誘ったのか自覚がないあたしに"超"誘われてると言い、あたしの顔に影を被せてきた。



被せて、長い漆黒の前髪は垂れ、落とされる漆黒の瞳はどこか妖艶な色を放ち、道留君自身を纏う雰囲気も今までとは変わって瞳同様に妖艶な色を醸し出す。



そんな身に纏う雰囲気までも"男"を感じさせるものに変えてしまった道留君にクッと喉が鳴り、心臓の脈打つ音はさっきよりもずっと煩くて。



それは離れているのに道留君に聞こえてしまうんじゃないかと心配してしまうぐらいだ。



ドキドキドキドキ。



煩く脈打つ音が今の"男"な道留君は危険だと教えてくれる。



だからあたしはかち合っている漆黒からあからさまに自分のを逸らし、真っ赤な顔のままこの危険から逃れようと咄嗟に思い付いたことを慌てて口にした。



『おおおお願いを言わせていただきたい…っ!』