メガネの裏はひとりじめⅠ




その表情はたんこぶが出来たあたしの痛みと同じ痛みを味わうかのような。そんな苦い表情を浮かべていて。



たんこぶなんかすぐ治るのに、そんな風に謝ってくれたり痛みを分かってくれる道留君に胸がギューッと締め付けられる。



『道留君は悪くないから謝んないで…?それにすぐ治るよ、ね?』



苦い表情を浮かべる道留君に柔らかく笑ってそう言ってやると、道留君はそれに「可鈴は優しいな」苦い表情から切れ長の瞳を細めて優しく笑ってくれて。



『道留君も優しいよ?』

「そりゃ可鈴だけに優しい男ですから?」

『んな…!照れるよ…っ』

「ふはっ。可鈴真っ赤だかわいー♪」



道留君の所為だもんバカ…。



優しく笑ったかと思ったら、あたしのセリフに次は甘美な表情を見せて悪戯な口調で道留君は恥ずかしげもなくそんなクサいセリフを言ってのけてしまう。



そう言えばあたしが真っ赤になってドキドキと心臓を煩く音鳴らしながら脈打たすことを絶対に道留君は確信済み。



…いや、素でやっているのかもしれない。



それならそれでかなり質が悪く、真っ赤にさせられてドキドキしているあたしはクスクスと喉を鳴らし笑う小悪魔疑惑が浮上した道留君に何だか悔しさを募らせる。



だって、道留君に真っ赤にさせられっぱなしなんだもん。



それが悔しくて、ムーッと真上にある綺麗すぎる顔を見つめながら膨れていれば、道留君はそんなあたしに気が付いたのか笑うのを止めて。



「なぁに?俺んこと誘ってんの?」



…いったい、いつあたしが道留君を誘ったのだろうか。