『お願い聞いてくれるってほんと!?』
「え?う、うん。つか、泣いてたんじゃ…」
『泣き止んだの!それよりねっ』
「ちょ、タンマ!聞いてあげるからちゃんと真っ直ぐ寝転んで?」
氷、乗せられないでしょ?
少しばかり興奮して喋り出すあたしを道留君は一旦制止させると、苦笑混じりにそう言って付け足し、氷をあたしの瞳に映るよう見せる。
それ見て氷の存在をすっかり忘れてしまっていたあたしは"あっ!"と気付き、これまた何の躊躇いもなしに道留君の漆黒と向き合うよう言われた通り仰向けに真っ直ぐソファーに寝転ぶ。
そんな寝転んで道留君の太股に頭を預けるあたしの前髪を道留君は指で避け、おでこに出来た山を見て眉を顰めた。
『えへへ。たんこぶ出来ちゃった』
眉を顰めて険しい表情を浮かばせる道留君に、あたしは和ませようとヘラリ、笑ってそう言ってみせる。
だけど道留君から返ってきた言葉は「…笑い事じゃねぇだろ」笑いをすぐに引っ込めさせる低い男の子の声音で、次いで山が出来てる場所に氷が乗せられれば。
「ほんと、マジごめん。たんこぶ出来るぐらいとか…かなり痛かったよな?」
ほんとごめんな。
なんて、別にあたしが居るのを知っててわざとドアを開けたわけじゃないはずなのに、悪くない道留君はほんとに申し訳なさそうにそう謝ってきた。


