メガネの裏はひとりじめⅠ




せっかく恥ずかしいのを我慢して道留君に頭を預けようと思ったのに、これではさらに恥ずかしさが増幅するだけではないか。



恥ずかしさのあまりその体勢のままピクリとも動かないあたしの気持ちに気付いたのか気付いてないのか。



道留君はさっきまで困惑してたのに今度はクスクスと可笑しそうに喉を鳴らして「こっち向いて?可鈴」とびっきり甘い声を奏でながら耳元でそう囁いてきて。



あたしはそれにビクッと肩を跳ねさせ、ほんとは恥ずかしくって真っ赤に染まってしまった顔を隠したいのだけれど。



でも拒否ることはしたくないため、恐る恐るゆっくりと道留君へと顔を向けていった。



だけど――…。



「ふはっ。可鈴、超真っ赤!」



あたしの向けていく顔が道留君の漆黒に映ったら、道留君はせっかく恥ずかしいのを我慢しているあたしをそう吹き出し笑ってきて。



あたしはすぐに向けかけていた顔を完全に逸らして再び道留君の太股と対面させ、そんな今のあたしに対してデリカシーがなさすぎる言葉にジワリジワリ、涙が姿を現してくる。



『道留君のバカッ』



道留君のために頑張って恥ずかしさ乗り越えたのに笑うなんて酷いよぉ…。



そう道留君にヤジを飛ばせば、今日何度目になるのか姿を現した涙を零しながらペチペチ、道留君の脚を手のひらで叩くあたし。