道留君は氷をくれず、口許に緩く弧を描いてここに、そう言いながら自分の太股の上でポンポン、セリフ通りあたしに頭を預けろと手を弾ませる。
そんな道留君をあたしは驚いたようにギョッと見つめ、すぐさま赤色に染まった顔を無理だと、拒否を示すためフルフル横に振った。
『む、無理っ』
「…何で?嫌?」
『…っそうじゃないけど』
「んじゃ、どーぞ?」
ポンポン、道留君は少しムッとして言い、首を振ってから俯くあたしにもう一度預けろと太股に手を弾ませ促してくる。
だけどあたしはそれにも首を振って応えず――…てか、応えられるわけがないんだ。
だって…だって…、道留君に膝枕されちゃうじゃんか!!
そんなの想像しただけでもかなりの羞恥もんで。
顔から耳までかぁあああっと一気に熱が広がり、「可鈴」道留君が不機嫌を露にした声であたしを呼ぶのを合図に、あたしは俯いた顔を弾かれたように勢い良く上げた。
『無理だよぉ〜…』
次にギョッとするのは道留君の番。
道留君の太股の上に頭を乗っけてその綺麗すぎる顔と漆黒と向き合うっていうのがあたしにとって難易度が高すぎることで、瞳には涙までもが浮かんできてしまう。


