あたしの目の前に立つ人物もといリュウちゃんは先ほどの授業では着ていなかった白衣を身に纏い、壁に身体を凭れさせながら腕を組んであたしを切れ長の瞳でしっかりと捉えてくる。
そんなリュウちゃんにあたしはピシッと石化してしまい、背中には嫌な汗がダラダラと流れてきていて。
「…話は生徒指導室でゆっくり聞こうか」
あぁ…、あたしの学園生活ジ・エンド。
ニッコリ、1時間前ぐらいにも見せ付けた恐怖の笑顔を惜しみ無くさらけ出し、そう言ってリュウちゃんは凭れていた壁から身体を離すとあたしに付いて来いと先を歩き出す。
うぅぅぅ、ヤだよ〜…。
なーんて思いながらも、今ここでリュウちゃんに着いて行かずこのままダッシュで逃げ出せば、あとからリュウちゃんのお説教という名の怖すぎる天罰が降り掛かってくるのは確実だ。
だから、可愛い我が身を守るため、そんな危ない橋には渡らず嫌々だけど素直にあたしはリュウちゃんの背中にトボトボとついて行った。
そしてリュウちゃんと一言も喋らずにやっぱりお説教されるのかな、とか。実は結構優しいから見逃してくれたりするかな、とか。
そんなことを歩きながら一人悶々と考えていれば、あっという間に"生徒指導室"と書かれた札が吊ってある教室に到着してしまい。
ゴクリ、生唾を飲んで無意味に緊張しているあたしを余所にリュウちゃんは躊躇いもなくドアに手を掛けそれを横にスライドさせる。
わわわ、キターッ!!
ついにこの時が来ちゃったと、大袈裟にドクドクと心臓を脈打たせるあたし。
そんなあたしの耳にリュウちゃんがドアを完全に開けきった瞬間、「リュウちゃん遅〜い」よく聞き慣れた高い声が飛び入ってきた。


