不機嫌絶好調だったひまがいきなり笑い始めた。
ぎゃはぎゃは、なにがおもしろいのか馬鹿笑いするひまをぽかーんと眺めるあたし。ひ、ひまが壊れちゃった。
不格好に片腕だけ未だ"×"の役目を終えていなかったため、そっと下ろす。目の前でぎゃはぎゃは止まらず笑い続ける幼なじみ。
『…、』
ちょっと長年の付き合いだとはいえ、ここまで理由も分からず馬鹿笑いする幼なじみを見ているのはさすがに辛い。
ひくひく、口角が引きつる。ねえねえひまちゃん、可鈴ちゃんはとても今あなたにどん引きしてますよー。
どうするものか、と考えながらもどうすることもできず、どん引きしながらひまの馬鹿笑いを耳にすること数分。
「でもお前、あいつに抱かれてただろ。」
はぁー、やっべ、腹痛ぇー。
とか言いながら、色素の薄い瞳に浮かんだ涙を拭いながら笑い終えたひまは聞いてくる。
抱かれてた、って、おおお姫様抱っこのこと、だよね…?
うわ、うわわっ。もう、ひま!笑ってたんなら笑ってたで、道留君の話題から離れてよー!!
再び思い出して赤くなって、怪訝な表情を浮かべるひまの顔を見れない。
『(そこ、一番見られたくなかった…。)』


