メガネの裏はひとりじめⅠ



家は歩いて約30秒。あたしの家のちょうど向かい側にひまん家があるわけで。


他のクラスの子――…というのは実はひまのことだったんだけど――…昨日プリントを写させてもらってる時、あたし言ったはずだ。


今まさに帰ろうとしていたひまを靴箱でとっつかまえて、血相かきながら『化学のプリント見せて!リュウちゃんに殺されちゃう!!』と。


そのあとに戻ってきた教室でもくわしーく事情を話した、ていうか尋問してきたのはひまだ。


だからひまは昨日このプリントを絶、対、に!あたしが提出しなきゃダメだって分かっていたはずなのに――…。


どうしてなのひまちゃん!!お家すぐ目の前なんだから届けてくれたらよかったじゃない!!


なーんて、ひまの私情は無視して勝手なことを心の中で言うあたし。だってだって!リュウちゃんが…っ!!


どうお説教、別名デスタイム(リュウちゃんがキレたら死ぬほど怖いからと、体験した誰かが命名)が開かれるのか。考えただけでギャー!!おおおお恐ろしい。寒気と鳥肌が。



て、いうか、


『…ひーちゃん、それ、落ちてたの?』



ぱちっと瞬いて、プリントから顔を上げたあたしは不機嫌面のひまの顔を見やる。