寝るとかない。ほんとにない。バカすぎるだろ、あたし。
ガヤガヤと騒がしい周りを見渡せば、授業はとっくの前に終わったんだと教えられる。
チャイムにも気づかなかったぐらいだ。たぶんひまに起こされなかったらあたしはお昼まで爆睡だったに違いない。
バカバカ、あたしのまぬけ!昨日たっぷり寝たじゃんかぁ!
大事な人を傷つけたっていうのに、寝てしまった自分の神経を疑いながらボコボコと自分を自分で頭の中で殴る。
と、そーだ!!
『(道留君、は…!?)』
はっとして、ガバリと顔を上げて慌てて道留君の方に目を向けるあたし。
その先――…雑音の中にいつもみたいにあった姿にどうしようもなく胸が締め付けられた。きゅううううって。
今すぐ話したい。ごめんねって言いたい。でも、話せない。言えない。だって、道留君は言ったんだもん。この関係は"ナイショ"だって。
締め付けられる胸を押さえながら歯痒い気持ち。
じっといくら背中を見つめたって、道留君はこちらを振り向く素振りも見せなかった。


