だけど道留君は別で。
イブの可愛さにキュンキュンしていても、道留君のさっきの後ろ姿を思い出したら途端に胸がズキンと痛くなる。
イブから身体を離して道留君の席を見てみるけど、1限目が始まる前の騒がしい教室の中。
いつも授業の用意をして、静かに席に着いている道留君の姿はそこにはなかった。
『っ、』
ダメ。泣いちゃダメ!あたしが悪いんだからっ。
ジワ…ッと目頭が熱くなる感覚に、心の中で自分を叱咤する。
こうやって自分が悪いのにすぐ泣いちゃうところほんとに嫌い。
面倒くさい女にも、ずるい女にもなりたくないのに。バカ。あたしの宇宙一ヘタレ…っ。
「可鈴?どした?」
急に身体を離して道留君の席を見たあたしをくいくいっと、ブラウスを引っ張りながら不思議そうに呼ぶイブ。
それにはっとして、『な、なんでもなーいっ。』慌てて笑顔を取り繕ってみてもイブにはバレバレ。
「嘘つけ。元ダサ男となんかあったんでしょ。」
ムッとするイブは勘が鋭い。あたしが隠すのが下手なだけかもしれないけど、指摘されたことは間違ってなくて。
こらえた涙が浮かんできてしまう。


