メガネの裏はひとりじめⅠ



頭に降ってきた小さいそれに顔を上げたあたしはキッと睨んで反抗的な態度。


眉間にシワを寄せてあからさまにお前うざいって表情を浮かべる巳陵壱翔は薔薇色の唇を動かす。



と。


――キーンコーンカーンコーン。



巳陵壱翔が喋るのを遮るようにHRが始まるチャイムが学園全体に響き渡った。遅刻、決定である。


「やべっ。」チャイムが鳴り響く中に混じって聞こえた男の子の声。それからバタバタと慌てて走っていく足音。


なにも言わず行ってしまった男の子は結局、あたしになにを言いたかったのか。そして誰だったのか。


疑問として残ったそれも、今は気にならない。おいコラクソクソ大魔王。早く離れやがれ!睨みながら心の中で思うのはそれだけで。



「泣いてんじゃねぇよ。」



チャイムが鳴り終わる直前、そう言って力を入れて離そうとしてもてんで離れなかった腕をパッと離してくれた巳陵壱翔。


だけど言い方がふてぶてしい。


はーっなんてタメ息吐きながら続けて言う「あーやっと解放された。こんなチビとハグなんか一生したくねぇわ。」…こっちのセリフですけどね!!