「赤くなってんなよ、クソチビ。」
『(んな…っ!)』
コイツぅうううう!!
顔を上げて見る巳陵壱翔はあたしにしか聞こえないちっちゃなちっちゃな声でまたチビとあたしを貶してきた。
リンゴ色になる顔の意味が半分変わる。巳陵壱翔に対する怒りが含まれる。こんの大魔王めっ!
身長差があって当たり前じゃん!男と女だよ?154センチしかない女の子なんかこの世にたーっくさんいるんだから!
ていうか巳陵壱翔(あと道留君も)がでかすぎるの!バカ!バカバカバーッカ!
ピキッと怒りマークを浮かべて、ガルルルッとあたしなりの威嚇を見せてみる。
け、ど。
それを巳陵壱翔はハッと鼻で笑って軽くあしらってくる。ムカつくムカつくムカつく!!嫌い!
一発パンチでもお見舞いしてやろうか?なーんて思ったあたしは今どんな状況か。頭に入れていなかった。
フッと"お前なんか怖くねぇよ"とでも言うような余裕綽々の超ムカつく笑みを見せた巳陵壱翔の香水の匂いがグッとさらに強く鼻腔を擽(くすぐ)る。
お腹に回る手に力が入るのを感じて。
「っつーことで、こいつ俺の。今度近づいたら殺しちゃうかもね。」


