メガネの裏はひとりじめⅠ



敵に立たせるべからず、我が上に。ってね。


うっわ。なんかかっこよくない?教訓的な!うわーうわー。あたしやばい。これは自分でも上手いと思う。さすが。


こんな素敵教訓(的な)を作るあたしにさて。勝てるのか巳陵壱翔。


てーかっ!

道留君の恋の矢印があたしの方に真っ直ぐ向いちゃってるから勝ち目ゼロじゃないかい?巳陵さんよぉ。



『(へへっ。勝利いただきました!)』



頭の中ではい、ピース。抱かれる肩は未だ悲鳴をあげてるけど、敵に勝ち目ゼロと分かれば喜ぶのがふつうでしょ。


ふふっと自然と綻ぶ顔。ニヤニヤ。わーいわーい。in脳内で歓喜をあげていれば、



『っ!!いいいっ、』

「チビきもい。何でにやけてんの彼氏はドン引きだ。」



こ、こ、コノヤロー!!


ぐにゃり。綻ぶ顔は一瞬で歪む。歓喜?なにそれ美味しいの状態になったあたしの肩はさらに悲鳴をあげた。ギャー!肩から声が聞こえてきそうだ。


巳陵壱翔、もとい性格悪々大魔王は、無表情でギュッと肩を潰しにかかってきたのだ。


痛い痛い痛い。痛さ三割増し。冗談ではなく本気で痛いそれに視界が滲む。そんなにあたしが嫌いかこのっ!


今にも落ちそうな涙が溜まる瞳に巳陵壱翔を映しながら、巳陵壱翔の足を踏む――…『ひゃあ!?』