メガネの裏はひとりじめⅠ




な?信じろよ。つーか泣きすぎ〜。



クツクツ喉を鳴らして、そう言って付け足した道留君は頬っぺたから手を離してくれた。



代わりにコツン。おでことおでこがくっ付く。再び訪れた甘い雰囲気。パチパチ瞬いたあたしの顔は一瞬にしてリンゴ色。



「あはっ。可鈴真っ赤っか〜。」

『っみ、みち、』

「今日はいつもよりどもるねぇ。」

『〜〜っ。(だって道留君が…!)』

「(ぶっ。赤くなりすぎだろ。)…んー…、なぁ可鈴。」

『え…、』



道留君との距離はゼロセンチ。今日最高に近い距離で交わる視線が恥ずかしくって。交わす言葉がくすぐったくて。



ドキドキ煩い心臓とか。少し上目遣いで見つめ合うことも全部照れくさくって。



なにか考えたように唸った道留君に呼ばれて唇を開けばすぐ。「俺、嬉しいことしてもらった記憶あんだけどなー。」…みち、る君?



「彼女になってくれたことでしょー?デートしたこともだしー、オムライス奢ってくれたことも。ヤキモチ妬いてくれたことも嬉しかったなー。あとハグも。」



過去を振り返っていくようにポンポンと道留君の唇から出る"道留君が嬉しかったこと"。



たくさん、ではないけど。あたしがないと思っていたものがあったようで。