『(…なんてこった。)』
そんなに道留君に好かれて、道留君の一番になっちゃうこと。あたししてないよ?
ていうかほんとになにもしてない。したことっていえば"迷惑"。正しく言えばかけた、だけど。
道留君が喜ぶことをしてあげた覚えがないあたしが一番、だなんて。図々しいっていうか、何で?そう思ってしまう。
デートの時、高校生にもなってバカみたいに泣いてばっかりだったんだよ?キスも拒んじゃったし、わがままで自分勝手な女だよ?
そんなあたしがかっこよくて優しい道留君の一番なんかありえないよぉ…。
「…コラー。なんつーマイナス思考してんの。顔上げて。」
コツン。髪を撫でていた手がグーの形になってあたしを叩いてきた。だけど全然弱い力。痛くない。
道留君の"顔上げて"その命令に一瞬躊躇って。でも素直に従うことにしたあたし。
上げれば――…『ふにゅっ!』
「可鈴のバーカ。」
『ふうぅ…、ひひゃい〜…。』
「痛くしてるから痛いに決まってんだろ。」
『んん〜!(酷いよ〜!)』
むにゅっと摘ままれて、頬っぺたびよよ〜ん。思ったことを口にすれば、道留君は、怒った。


