メガネの裏はひとりじめⅠ




まるで降参、とでも言うようなその声に顔を持ち上げる。



明るくなった視界。目と鼻の先には困ったように笑って「可鈴には勝てねぇや。」涙で濡れた頬っぺたにぴったりとまた手のひらをくっ付けてくる道留君。



ドキン。心臓が鳴る。くれる視線。瞳がすっごく優しい。



キュッと細められた綺麗な黒があたしを見る。見つめる。優しい色で。ふわりと微笑みながら。



「好き。好きだよ可鈴。俺の一番大切なお姫様だ。」



…ああ、やっぱり。やーっぱり道留君のあだ名はお砂糖王子で決定だ。



ケーキとかお菓子とか。どんなに甘い食べ物も。恋愛ドラマで俳優さん達が言う現実では言わなさそうな甘いセリフも。



全部、全部。今の道留君のセリフの甘さには敵わない。究極の糖度を誇るセリフ。――…極上の、告白。



『――…み、っちるく…、』



ずっと聞きたかった言葉。"すき"の2文字。今、聞けた。しかも最高に嬉しいオプション付きで。一番大切なお姫様、だって。…お砂糖王子のバカ。



そんなこと言われたら照れる。恥ずかしい。――…でも嬉しいが勝っちゃう。嬉しくて嬉しくて。とにかく嬉しくて。



あたし、ありえないほど幸せ。