道留君の疑問符に首を振ることはできなかった。…意気地無し。
だって、さ。自信がないよ。道留君がそんなこと言ってくれても"嫌いじゃないんだな"しか思えない。"すきだと思う"なんて、言えっこないよ。
デートの失敗。さっきの女の子。やっぱり不安は抜けそうにない。
だから、聞きたい。はっきり。道留君の口から。"すき"の2文字を。言って、欲しい。
…あたし言ってないのに、自分勝手でごめんね。
「可鈴。どう?」
『―…っ分、かって、るぅ、』
「…うん。」
『ふっ、え、…で、も、言っ、て?』
「ん?」
『っ聞き、たいのぉー…。』
顔をぐしゃぐしゃにして。泣きながらなんて、カッコ悪いにもほどがあるけど。聞けるなら、いい。"すき"を聞けるならなんだっていい。
道留君の首に腕を回してるから自分で涙は拭えない。だけど代わりに道留君が拭ってくれる。
はらはら落ちる涙を、話しながら人差し指で目元をなぞるように優しく拭ってくれる。その役目は右手。
左手は背中に回って、あやすように心地よいリズムで背中を叩いてくれてる。ぽん、ぽん。ぽん、ぽん。
「…あー、…やっぱ宇宙一かわいーなぁ。」


