メガネの裏はひとりじめⅠ




道留君の疑問符に首を振ることはできなかった。…意気地無し。



だって、さ。自信がないよ。道留君がそんなこと言ってくれても"嫌いじゃないんだな"しか思えない。"すきだと思う"なんて、言えっこないよ。



デートの失敗。さっきの女の子。やっぱり不安は抜けそうにない。



だから、聞きたい。はっきり。道留君の口から。"すき"の2文字を。言って、欲しい。



…あたし言ってないのに、自分勝手でごめんね。



「可鈴。どう?」

『―…っ分、かって、るぅ、』

「…うん。」

『ふっ、え、…で、も、言っ、て?』

「ん?」

『っ聞き、たいのぉー…。』



顔をぐしゃぐしゃにして。泣きながらなんて、カッコ悪いにもほどがあるけど。聞けるなら、いい。"すき"を聞けるならなんだっていい。



道留君の首に腕を回してるから自分で涙は拭えない。だけど代わりに道留君が拭ってくれる。



はらはら落ちる涙を、話しながら人差し指で目元をなぞるように優しく拭ってくれる。その役目は右手。



左手は背中に回って、あやすように心地よいリズムで背中を叩いてくれてる。ぽん、ぽん。ぽん、ぽん。



「…あー、…やっぱ宇宙一かわいーなぁ。」