メガネの裏はひとりじめⅠ




今、あたしの唇に触れている指が唇に触れる前から。その指の手が輪郭をなぞっている時から言われるな、って思ってた。



思ってた、けど。思ってただけで抵抗とかそんなものは出来るはずがなくて。



いざ言葉にされるとやっぱり、未経験で経験値ゼロなあたしには爆弾どっかーん並みに衝撃がすごすぎた。すさまじすぎた。



たった一言。


"限 界 で す 。"



『…っまっ、ままま待ってみち、』

「嫌だー。ごー、」

『え、ええ!?ほんとにまっ、』

「よーん、」

『道留く…っ、』

「さーん、」

『…〜っ、』



あり得ない。バカバカ道留君のバカッ。待ってって言ってるのに酷いよバカぁ…。ふええん。どうしたらいーのぉ…っ。



限界、っていうのは心から本気で本気の本音だ。



この数分間。あたしは至近距離で目にも心臓にも悪い生きる芸術品を間近で見てきた。



それに足してこの殺人級の甘さ。甘いセリフの数々。糖分のオンパレードだ。



いくら甘いものが大好物のあたしでも、この道留君が作る"甘いもの"は無理。摂取し続けると確実に早死にしちゃうよ。



『(バカ道留〜…。)』



バカまでつけて道留君を呼び捨てにしてしまうぐらい、あたしは追いつめられていた。