『っ、』
ビクッと肩を跳ねさせたのはびっくりしたからとかそんなんじゃない。
対峙する漆黒の双眼が鋭く尖って、キラリと危ない光を放ったから、ちょっと、いや、正直に言えばすごく。――…怖かった。
一ミリたりとも笑っていない表情。綺麗な顔は真剣。
付け足されたセリフはヘラヘラ軽い口調だったけど、冗談ではない。瞳が、表情が、そう強く言っている。言ったセリフ全部、本気。
だけど、驚いた。
優しくて、ふわふわ柔らかい笑顔を浮かべる道留君がこんな表情するなんて。
こ、これはもしや、道留君もすーんごい!ヤキモチ妬き?いやいや、そうとしか考えらんないよ。
一応。言われたことに恐る恐るだけどコクッと頷いておくあたし。無意識に道留君の首に回っている手に力が入る。
「可鈴いい子♪」
途端、打って変わりにっこりと笑う道留君。
えええ?今までのはなんだったの?喜怒哀楽が激しいっていうのか。感情が豊かなのか。コロコロ変わる道留君の表情に心臓がいくつあっても足らないよ…。
いきなり怒ったのも、あたしが三木のこと考えてたからなんだね。


