「言っとくけど、言い訳は聞かねぇよ?」

『うん…』

「んで、遅刻した罰は受けてもらうから」

『うん……って、え?』

「ほら、さっさと席着く。授業の邪魔だ」



…ちょ、ちょっと待って。



今さり気なくすんごい最悪な発言しませんでしたか?



空耳かと。聞き間違いかと。



そう現実逃避してしまいたくなるリュウちゃんの耳を疑うような発言に、沈みかけていく気持ちと比例するみたいに俯かせていた顔をバッと勢い良く上げてリュウちゃんを瞳に映し出す。



映し出したリュウちゃんの表情は恐怖のニッコリ笑顔からいつもと同じ、偉そうな表情に変わっていて。



顔を上げて瞳が合ったあたしにこれまた偉そうに顎でクイッと、"自分の席に行け"と指図する。



そんなリュウちゃんに何も言えるはずがなくて。



それに、授業の邪魔だとも言われたし。



あたしは大人しくリュウちゃんの前から自分の席に向かって気分を最高潮に沈めながらすごすごと歩き出したのだった。