あたしは、『瞳子』。 これは本名ではない。 あたしに付けられた記号。 『瞳子』は見てしまった。 あたしは見てしまった。 障子の隙間から。 わかっていたのだ。なんとなくいつかこうなることを。 彼は、あの人をとても大事に想っていたから。 ただ あたしは見てはいけなかった。 『瞳子』が見てはいけなかった。 すべての罪はあたしにある。