次の日。


「うわぁ~、人だかりやな。」


 戦艦ホムラの進水式は一般公開こそされないものの、毎年マスコミの格好のえさである。


 たった50分の授業時間の内容をマスコミ、自衛隊、よく分からない国のお偉いさんに見世物にされ、評価を好き勝手に書かれるのだから、こちらとしてはたまったものではない。


「まったく、冗談じゃないぜ。ちょっと浮いて、着地させるだけだろ?」


 昨日の教室内。校門には既に大量のカメラやら、レポーターがいて、気が散らないほうがどうかしている。


 さらに、文句を言いながらも雄二の格好といったら・・・。


「雄二、どうしたの?髪の毛とかオールバックにして・・・怖いよ。」


「それは、お前にも言えている。ちゃっかり、髪の毛整えてきてんじゃねぇよ。いつも自慢の寝癖ヘアーはどうした?」


「だって、お母さんがぁ~・・・」


「二人とも、花形やからな。艦長も、雅のパイロットも一番テレビに映るし、気持ち分かるわぁ~」


 そう言う美並の格好が、一番気合が入っているように見える。


 そのスカート丈は、校則違反じゃないの?


「・・・・・みんなテレビ映りを気にしすぎ。」


 うをっ!


 ホントにカルラはどこから現れるか分からないな。


「か・・・カルラはそのままなんだね。」


「・・・・・・・・・・・・・・どうせ、私は映らない・・・・。」


 司令官、カルラ=マルガリータ。


 仮にも艦長、副艦長に続くナンバー3.


 映らないということはないと思うのだけど…。


「そ、そんなことないで、カルラだって一応、司令官なんやから、もしかしたら・・・」


「それ以前に、私には存在感と花がない・・・。」


「うっ」


「がっ」


「うっ・・・」


 否定できない・・・。


 彼女の持つ負のオーラだけは否定できない・・・。


 いや、でも前髪あげれば、美人なのじゃないかな?ベタな話だけど・・・。