小説には様々なパターンが存在します。

そのひとつの区分けとしてトップスターターとスロースターターがあるというのが私の考え方です。

これは主に、作者が描く世界観をどのような順序で持ってくるかということだということだと私は考えています。

最初の出だしで一気に、世界観に引き込むことがうまい作者がいれば、徐々にその世界観に引きずり込んでいく作者がいます。

それぞれのメリットデメリットがあるのは言うまでもありません。

私はどちらかと言えば、スロースターターな人間だと考えています。

私の出だしは常に平凡な一文から始まっています。まず読者を引き込ませるような出だしではない。

それは、私が、トップスターターの作品はたいてい、凡庸な形で終わる…というパターンを何度も見てきたからです。

最初の出だしで期待させるだけ期待させておいて、その程度かよ…という作品は携帯小説に限らず、一般書籍でも多く見られます。

ある意味、出だしで度肝を抜かし、そのまま突っ走った作品と言うと、私が知っている作品の中だと「涼宮ハルヒ」ぐらいでしょうかね…さすがは、めったに出ない角川大賞をとった作品のことはあります。

トップスターターはともかく、スロースターターの作品の特徴の一つとして「キャラが濃い」というパターンが多く見られます。

トップスターターは始終「主人公だけ」のストーリーになりがちですが、スロースターターの作品は不思議と「様々なキャラクター」が活躍する作品になりがちです。

このあたりは非常に不思議なのですが、作品の作り方の考え方なんでしょうかね?

それを見ると、今回の作品は完全にスロースターター型の作品です。