そこで新たに出てきた意見が、田村によるアリバイ工作説。
「つまり田村は、この乗換えを行なうことによって、何らかのアリバイ工作を行ったんじゃないかってワケ」
「松本清張や西村京太郎の世界だな」
「でも結局、この乗換えがどんな効果をもたらすのか分からなくてね…」
「それ以前に田村自身が殺されてるからな」
「そういうこと」
「…時間を気にするなら最初から新幹線に乗るよな」
「電車賃を浮かせるなら鈍行を使うわよね」
「東京駅からな」
達郎は唇を尖らせた。
先日も見せた仕草だ。
どうやら考え事をする時の癖らしい。
イトコ同士でも新たな発見はあるもんだと、変に感心をしてしまった。
「小林の方は?」
達郎にそう振られて、あたしは再び手帳に目を落とした。
「小林は、10時25分東京駅発のひかり78号に乗ってるわ」
こちらの方も確かな線と思われた。
所持品からはひかり78号のグリーン席のチケットが見つかっている。
「つまり田村は、この乗換えを行なうことによって、何らかのアリバイ工作を行ったんじゃないかってワケ」
「松本清張や西村京太郎の世界だな」
「でも結局、この乗換えがどんな効果をもたらすのか分からなくてね…」
「それ以前に田村自身が殺されてるからな」
「そういうこと」
「…時間を気にするなら最初から新幹線に乗るよな」
「電車賃を浮かせるなら鈍行を使うわよね」
「東京駅からな」
達郎は唇を尖らせた。
先日も見せた仕草だ。
どうやら考え事をする時の癖らしい。
イトコ同士でも新たな発見はあるもんだと、変に感心をしてしまった。
「小林の方は?」
達郎にそう振られて、あたしは再び手帳に目を落とした。
「小林は、10時25分東京駅発のひかり78号に乗ってるわ」
こちらの方も確かな線と思われた。
所持品からはひかり78号のグリーン席のチケットが見つかっている。