やっぱりチューは無理だったみたい…
さっきの柔らかい感触も儷君の鼻だったって…

はぁ…
いつになったらできるかな??

『新入生代表の言葉。
新入生代表和季君。』

「はい。」

ざわざわ…

《あの男の子名字ないのかしら…》

《おかしな子ね》

クスクス…

イライラ…
苗字が無いからってそんなに笑うこと無いじゃん…


和季だって努力して来たのに…

『新入生のみなさん。
僕たちは今日この学園に無事入学を許可されました。
今日からは様々なことを先輩たちから学び、学生らしい生活を心がけていきましょう。

僕はこの学園に入るまでに様々な困難を乗り越えてきました。
僕には苗字がありません。
そのことでいじめを受けたこともあります。
しかし、僕には仲間がいました。

共に泣き、喜び、支えてくれる仲間がいました。
僕はこの学園でたくさんの思い出を仲間と作っていきたいと思います。
この3年間をより充実したものに出来るように心がけましょう。

新入生代表、1年Sクラス和季。』

パチパチ…

『続いて在校生代表の言葉。
在校生代表和泉儷君。』

「はい。」

『新入生のみなさんご入学おめでとうございます。
そして在校生のみなさん新入生のみなさんがより学園生活を楽しめるように俺達でサポートしましょう!!
≪イェ―イ!!≫
俺は和季とは幼馴染です。
あいつは確かに身寄りはないけど、誰よりも仲間は多かった…
他の入学生にもそんな風にたくさんの仲間を作って欲しいと俺は思う!!
みんなでこの学園をもっと盛り上げよーぜ!!
≪イェ―イ!!≫
在校生代表、2年S1クラス和泉儷。』

うわ…
さすが儷君…
何とはっちゃけた…



まぁ…
儷君のはっちゃけたあいさつの雰囲気のまま入学式は終わった…