「なぁ、俺ら、おかしな関係だよな。」 電車の中、ぽつりと颯が可笑しそうに笑いながら言った。 「なんで?」 「だってさ、電車の中でだけの『友達』じゃん?」 「…そう言えばそうだね。」 確かに、私と颯の繋がりは電車だけだった。 「…メアド、聞いてい?」 少しだけ照れたようにも見える颯の顔。 颯のメアドが私のアドレス帳に登録されたのは、颯と出会ってから約2ヶ月経った頃だった。