「あーっもう!碧衣はグタグダ考えすぎなの!いっかいぐらい感情で動いたら!?いっつもつまんないこと頭んなかで考えてんでしょ!?」 だんっ、と足音を立てて愛美が立ち上がったかと思うと、いっきに爆発した。 「愛美…」 「ひとつだけ教えてあげる。そこまで顕著に碧衣の感情が顔に出るのは颯君が絡んだ時だけよ。」 愛美はいっきにまくしたてる。 バサッとコートが飛んできた。 「はやく行ってきなさい!」 春菜が笑顔で私を見る。 「二人とも…ありがとう!」 私はコートを片手に、全速力で走りだした──…。