恋色想い






「今日は、誰かと過ごすの?」



真っすぐな瞳が、私を試すように尋ねる。






「…友達とだよ。」


アンタになんて関係ないでしょ?

かっこよく、そう言えたらいいのに。




心の中で、どこか期待してる自分がいる。
やだ…。
忘れたって、思ってたのに。






一度会うだけで、こんなにも揺れてしまうなんて。






「…そっか。」


つぶやくように颯は言う。





「じゃあ、ね。」




私は急いでその場を立ち去りたかった。


淡い期待なんていらない。
小さな希望なんていらない。





後で傷つくだけなんだから…。